【Review】鈴木 昭徳:地主の家に生まれて、跡取り息子と呼ばれて ~地主として、親からの資産を守り、今後も豊かに過ごす方法~

 

 決意表明みたいな内容の本で、不動産の本としてみるとそれほど大したことはないんですが、序盤の地主として生きてきた階層の部分がその心情をよく表していて引き込まれます。

 

"地主は、現在持っている資産をどのように守っていくかを考えていけば、充分資産活用は出来ます。"

"地主とは、先祖代々受け継いでいる土地を持っている人のこと。~『家を守る』義務を負い、『次世代に引き継ぐ』宿命を負った人でもある"

"地主は『家を守る』と同時に『地域貢献』の義務も果たさなければならない"

"好んで地主の家に生まれたわけではないのに、心ないやっかみを受けることも日常茶飯事でした"

 

この辺りが「あるべき地主」とか「地主の宿命」を表しているように感じました。一番好きなのは最初に働いたコーヒーメーカーは体を壊してリストラされたけど、「地主の息子」ではなく個人として見てくれた人ばかりだったので悪くはなかった、という部分です。

 

【Review】青山慶祐:不動産賃貸元付け(管理)業務マニュアル【前編】/【後編】: 賃貸管理業務のノウハウ!全てお教えします!

 

 著者の青山氏のブログのことはよく知りませんが、賃貸住宅の元付(管理)の心得と心構えについての本です。

 

「業務マニュアル」のタイトル名とまえがきにあるとおり、事細かに一から十まで説明してくれるわけではないですが、専門が違っても不動産業界に身を置いていれば頷ける着眼点での注意喚起が多く記されています。

 

私は賃貸住宅の現場に明るくないので、自分の専門との比較で彼らがどのように動くのかという視点で読みましたが、その他に新人教育をしなければならないもののマニュアルを一から作る手間は避けたい、作るにあたって何かヒントになるものがほしいというニーズにははまると感じました。

【Review】浜タケル:自衛官が退官10年前に読むお金の本――不動産投資で資産を築く

 

自衛官が退官10年前に読むお金の本――不動産投資で資産を築く

自衛官が退官10年前に読むお金の本――不動産投資で資産を築く

 

監修者の所属する会社(本書のタイトルにも関連しますが、主な顧客ターゲットを自衛官とアスリートとビジネスエグゼクティブに当てるという変わった会社です)の宣伝も兼ねた本で、内容自体は普通の不動産投資本や『金持ち父さん貧乏父さん』の焼き直しです。「国防という任務に集中しなければならない自衛官にとっては、何もしなくても家賃が入ってくるから不動産投資がお勧め」というのは同意しかねるし、それならREITの方が向いているんじゃないかとは思いました。

 

ただ、第6章の自衛隊(員)の昔と今について書かれた部分の「自衛隊時代と変わらない待遇を得られる再就職先は損保会社。叩かれることに慣れているので、加害者、被害者双方に叩かれながらやりとりして仕事を進めるノウハウがある」「自衛隊で外に出てそのままつぶしが利くのは栄養管理士と電験三種、医療と通信系。そのほかはそのままでは役に立たない」というのが面白かったです。

【Review】伊藤敦史:指標で選ぶJ-REIT: 『知識ゼロ』から始めて、 『自分で分析』・『自分で銘柄を選択』 するところまで本書で完結。

 

 著者の経歴も書かれていないような電子書籍だったので期待はしていなかったけど、その予想に違わず内容が薄い。どこかのパンフレットの引き写しかと思いました。

【Review】賀藤 浩徳:これを知らずに個人が不動産投資をしてはいけない!: 既存大家さんの成功体験を鵜呑みにせず正攻法で稼ぐ方法

 

これを知らずに個人が不動産投資をしてはいけない!: 既存大家さんの成功体験を鵜呑みにせず正攻法で稼ぐ方法

これを知らずに個人が不動産投資をしてはいけない!: 既存大家さんの成功体験を鵜呑みにせず正攻法で稼ぐ方法

 

 この本、別に悪い本でも間違ったことを言っているわけでもないんですが、なんというか個人向けに不動産投資を語るにしては迫力がないというか総論的な話で終わってしまっているように感じられました。

 

この本が書かれた当時は独立されていたのでその宣伝もしなければならなかったのかもしれませんが、賀藤氏の経歴(金融機関、不動産事業者向けのリサーチ畑)から考えて個人向けの不動産投資論というのはその経験を活かすには不向きな分野だったんじゃないかと思います。

【Review】蔭山達也:条件難物件でも低予算で満室になる「おもてなしビル管理経営」

 

条件難物件でも低予算で満室になる「おもてなしビル管理経営」

条件難物件でも低予算で満室になる「おもてなしビル管理経営」

 

 宣伝用の出版だとはわかってはいましたが、このレベルの内容ならブログでやった方がいいんじゃないかな。

新規入居者にIHクッキングヒーターをプレゼントという話と更新時に同ビルの飲食店の汚職事件をプレゼントした話は辛うじて参考にはなったけど。

【Review】澤井律彦:小規模ソシアルビル経営の法務 補訂版: ソシアルビルの安定経営、安全経営、つまずかない経営のための 契約業務のエッセンス

 

 行政書士兼大家業の方によるソシアルビル(飲食店などが入居するビル)における契約書の在り方を実際の経験を交えて示した本です。

 

ソシアルビルに関する経営指南書はオフィスビルに関するそれ以上に少ないので勉強になります。また、メインの話題は「ソシアルビルの資産価値を守る契約書について」なのですが、終始①余計な負担を負わない②(ビルオーナーとして)正当な利益を守る③ビルの経営安全維持(とりわけ反社勢力の排除)④ビルの経営安定(テナント審査のコントロールとリスクのコントロール)の観点から書かれているので、頭に入ってきやすい内容となっています。

 

また、経験談のパートにおいてもテナント側内装業者のいい加減さ、キャバクラの管理難易度はラーメン店と同程度だがホストクラブはビルが荒れる、風営法の許可証の扱い、雨漏りの厄介さ、水光熱データの入手方法と使い方など勉強になるトピックが多い良書でした。

 

望むとすれば、(本書の範囲の限りでは)契約書に比べて館内細則の部分が弱いと感じましたので、そこを拡充してほしいと思います。