【Review】八木 祐四郎:ビルメンテナンスのすべて―ビル機能の効率的運営

 

ビルメンテナンスのすべて―ビル機能の効率的運営

ビルメンテナンスのすべて―ビル機能の効率的運営

 

 本書は当時の東京美装興業社長により、バブル崩壊間もない94年に出されましたが、書かれていることは私がビルメンテナンス(BM)会社の監督をしていた2010年代の光景とあまり違わないので、20年以上経っても、BM業界は変わらないですね。

 

この時期からBM業界は人材不足による高齢者、女性、非正規社員の活用で成り立っていることがうかがえ1章割いて「ビルメンテナンスの雇用問題」について論じています。昔も今も清掃員が集まらないって言ってたんですね。

人材不足、ビル設備の高度化、ワークスタイルの変化・多様化への対応、情報化の進展が課題に挙げられていますが、たぶん今でも課題であり続けていると思います。

 

20年以上前の本なので、細かい法令や業界の現状は違っていると思いますが、業務の概略は書かれている頃からそれほど変わっていないので、BM会社の人間がどういうことをやっているのかイメージするにはよいかと思います。管理コストを算出する際の積算方法についての簡単な説明が載っていて、これが一番参考になりました。