【Review】山内 正教:不動産アセットマネジメント

 

不動産アセットマネジメント (住宅・不動産実務ブック)

不動産アセットマネジメント (住宅・不動産実務ブック)

 

 本書はJ-REITのグローバルワン不動産投資法人の資産運用会社、グローバル・アライアンス・リアルティの社長だった山内氏が社長だったころに書いたもので、当時あまり定義づけやプロパティマネジメントとの境がはっきりしていなかった不動産アセットマネジメントについて論じたものになります。

 

本編は160ページ程度しかなく、あまり数字を使っているわけではないので、見かけよりは読みやすくなっています。目立つのはプロパティマネジャーとの違いを強調して「あるべき不動産アセットマネジャーとは」ということを熱心に論じている点かと思います。不動産アセットマネジャーの指示の範囲内で個別物件のキャッシュフローの最大化を目指すプロパティマネジャーに対し、投資家の最大利益の達成を目指すのが不動産アセットマネジャーの使命だと説いています。

 

これ自体は全く正しいのだと思いますが、山内氏が運用していたJ-REITは競合銘柄と比べても投資家と向き合うIRに力を入れていたのかというと、そうとも思えないので、理想と現実というのはついてまわるのかなと感じます。

 

一番読んでておもしろかったのは頭の体操になるケーススタディとこれまた頭の整理に役立つ付録のレポートの見本でした。

 

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