【Review】福島創太:ゆとり世代はなぜ転職をくり返すのか?──キャリア思考と自己責任の罠

 

 タイトルの通り本書はおもに2017年時点で20代後半~30歳くらいまでのゆとり世代に近い方々のキャリアについて論じています。

 

自分のキャリアに忠実な「意識高い系」と自分の感情に忠実な「ここではないどこか系」に分けてその長所、そして危うさを論じているわけですが、ジェネレーションギャップのせいか、世代的に自己責任に慣らされそれに疑問を感じなくなっているせいかどうも甘いこと言っているばかりだという印象です。

 

「したいこと」から「できること」を中心のキャリア形成を、という提言ですが、「したいこと」中心のキャリア形成の時に自分が今何をできるのかというのは当然考慮の要素に入っているので、いまさらこんなことを言われたところで何の解決になるのかという感想しか出てきませんでした。

 

論については以上ですが、キャリアアドバイザーと求職者が問答している章があって、これは客体として見る機会がないのでなかなかよかったですね。