【Review】エイミー・C・エドモンドソン:チームが機能するとはどういうことか ― 「学習力」と「実行力」を高める実践アプローチ

 

本書は「チーミング(=新たなアイディアを生み、答えを探し、問題を解決するために人々を団結させる働き方)」をキーワードにこれからの時代にあるべき組織(「学習する組織」)を論じています。

 

チーミングを構成する様々な構成要素が説明されていますが、特に印象深かったのはチーミングに必要なリーダーシップの一つとしてとして挙げられている「心理的に安全な場所をつくる」で、これがないと最も情報を持っているが、最も疑いの心を持っている地位が低い人たちは機能しない、ということが繰り返し論じられています。

 

心理的に安全な場所を作るために必要な行動として、「直接話の出来る、親しみやすい人になる」「現在持っている知識の限界を認める」「自分もよく間違うことを積極的に示す」「参加を促す」「失敗は学習する機会であることを強調する」「具体的な言葉を使う」「境界を設ける」「境界を越えたことについてメンバーに責任を負わせる」ということが挙げられています。

確かに実体験としてもこれらができない中間管理職がいるチームは完全に機能不全になっていましたので、納得感のあるところでした。

 

本書になる「学習する組織」はそれ自体、ある程度組織に余力がないと構築できないものだとは思いますが、実務はできない割に妙な万能感に満たされた50代の管理職に読んでもらいたいものです。