【Review】中島 恵:日本の「中国人」社会

 

日本の「中国人」社会

日本の「中国人」社会

 

 近年「爆買い」などで日本国内でも急激に存在感を増した中国人。観光だけではなく、コンビニなどでは既に彼らなしでは立ち行かなくなっており、問題があろうともその現実は如何ともしがたい状況になっています。本書はそんな彼らの姿に迫った本になります。

 

不動産業的観点から注目する部分として、これも近年話題になっている西川口(+蕨)が取り上げられています。人口60万人に対して2万人の定住中国人がいる川口氏は既に新興中華街が形成されています。そこに住む中国人は別に犯罪集団ではなく、IT技術者などのビジネスマンが目立つようになっているそうです。

 

西川口(+蕨)を選んだ理由も詳しく書かれていて「2つ隣の赤羽(都内)よりもずっと家賃が安い」「池袋まで電車で20分」「日本語学校が近い」「床に座る習慣がないので畳の部屋は避ける」「保証人が要らない(UR芝園団地)」「既に中国人コミュニティがある」など地位といった先入観ない動機が興味深いものでした。やっぱり純粋に経済的な観点だけなら川口悪くないものな。

 

その他に子供のことを考えると日本の教育はゆるすぎという悩みは考えさせられるものがありました。

 

それほど肩の力を入れずに読める本なのでお勧めです。