【Review】松崎 一葉:クラッシャー上司 平気で部下を追い詰める人たち
クラッシャー上司 平気で部下を追い詰める人たち (PHP新書)
- 作者: 松崎一葉
- 出版社/メーカー: PHP研究所
- 発売日: 2017/01/14
- メディア: 新書
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「 部下を精神的に潰しながら、どんどん出世していく人」上司を「クラッシャー上司」と定義しています。
ここに出ているような上司は私も仕えた経験があり、精神的に幼稚な人物だったのは覚えていますが、必ずしも仕事ができるわけでも出世しているわけでもないので、もう少し定義に拡張性を持たせた方がよいと思いました。
【Review】釜口浩一:これからのビル経営 利益を生み続けるための基本がここにある
「副業ビルオーナーも、これから始める人もこれだけは知っておきたい」とあるので、個人ビルオーナー向きのビル経営指南本と勘違いしやすいですが、実際はデベロッパー等伝統的大手ビルオーナーの担当者が(類型として)どのような思考回路を持っているかを知るのに都合がいい本だと思います。ビル経営の教科書や著作はそれなりに数は出ていますが、ここまで「テナントの質がビルの格を決める」とテナントに「格」という言葉を当てて連呼している本あまり記憶がないです。
NTT都市開発に15年(NTT不動産部門も含めれば18年。この間におそらくグランパークタワーの開発に関わっている)いればこういう思考回路になるだろうと納得の内容(内容自体は至極真っ当です)ですが、問題は個人ビルオーナーやそれに準じる中小ビルオーナーがここに書いている内容を実行し続けることができるのか、ということで、著者の言う「三つ星オフィスビル」の手本がPMO(と思われる)ならば、ちょっと無理がありすぎるのではないかと感じました。
あと個人的にはうるさそうな関連会社テナントをどう捌いていたのか触れられているとよかったです。
前述のとおり内容自体は真っ当なので、読んで損することはないと思います。
【Review】岡嶋 裕史 :ウチのシステムはなぜ使えない~SEとユーザの失敗学~
ウチのシステムはなぜ使えない?SEとユーザの失敗学? (光文社新書)
- 作者: 岡嶋裕史
- 出版社/メーカー: 光文社
- 発売日: 2014/03/14
- メディア: Kindle版
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10年前の本なので、いろいろ古くなっている部分はあると思いますが、最近仕事でシステム開発会社の人間とやり取りをするようになり「ああ、あったあった」という内容がそこかしこに書かれていました。書き方に癖はありますが、SEを馬鹿にしている感じではないです。
「SEは驚くほど実務を知らないので、まともなシステムを作ってもらおうとするなら、自社業務をきちんと伝えることは必須かつ最重要である」というのは全くその通りで、その努力を怠ってSEに苛立っても不毛なことにしかならないと感じます。
「他社の事例で成功しているものがあれば、そのまま導入してください」という顧客側担当者、実際に見たことがあるので、あのようにはならないようにしたいものです。
【Review】吉良悠子:お店のファンを増やす商圏分析の進め方: 〜京子、本気の商圏分析に挑戦 〜 キラ店格Laboの30分で読める実践物語
お店のファンを増やす商圏分析の進め方: 〜京子、本気の商圏分析に挑戦 〜 キラ店格Laboの30分で読める実践物語
- 作者: 吉良悠子,市川正人
- 発売日: 2018/01/23
- メディア: Kindle版
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商売を始めようと店を開いたはいいものの客を集めるのにどうしたらいいのかわからないという層向けの本で、店舗開発などの専門職向きの本ではないです。
帯にある通り「30分で本当に読める」軽い内容なので、これで商圏分析ができるようになるとは思いませんが、電車に乗ってる時間に雑誌を読む感覚で読むにはいいんじゃないでしょうか。TGという単語は知ることができたのはよかったです。
【Review】中野龍馬:地方でコワーキングスペースは成り立ちますか?
滋賀県の片田舎で開設したコワーキングスペース運営の体験記です。
そもそもコワーキングスペースというものが全く知られていない時期、地域での苦労からやってみてよかったこと、失敗したことまで軽い感じで読むことができます。
著者は地方でもコワーキングスペースはできる、と言ってはいますが、私は売上が30万円、経費も同じくらいかかるという状態に、地方におけるコワーキングスペース単体での事業化の困難さを見せられた感じがしました。本業(ホームページ制作)とのシナジーはあったようなので、その辺の成果も併せて示されれば別の印象を抱いたかもしれません。
【Review】佐藤 文男:35歳から出世する人、しない人
ヘッドハンターが30代を迎えようとしている若手ビジネスマンに向かって35歳からの心構えを説いた本ですが、別に「35歳のから」と銘打つ必要のなさそうな内容で、20代から実践させればいいのにという感じです。
【Review】日本環境管理学会プロパティマネジメント部会 :入門プロパティマネジメント
プロパティマネジメントに関する類書よりも少し遅く出版されていますが、共著でやや一貫性に欠ける印象があります。また著者の自社製品・サービスの紹介も織り込まれているので、業務をある程度経験していないと内容が頭に入ってこないんじゃないかと思います。
ただ不動産管理に関する情報システムについて1章割かれておりプロパティデータバンクの(当時の)考えを知ることができるというのは悪くないんではないでしょうか。今でも通常のプロパティマネジャーがシステムまで目くばせできるという例は少ないと思いますので。