【Review】福島創太:ゆとり世代はなぜ転職をくり返すのか?──キャリア思考と自己責任の罠
ゆとり世代はなぜ転職をくり返すのか? ──キャリア思考と自己責任の罠 (ちくま新書)
- 作者: 福島創太
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 2017/08/25
- メディア: Kindle版
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タイトルの通り本書はおもに2017年時点で20代後半~30歳くらいまでのゆとり世代に近い方々のキャリアについて論じています。
自分のキャリアに忠実な「意識高い系」と自分の感情に忠実な「ここではないどこか系」に分けてその長所、そして危うさを論じているわけですが、ジェネレーションギャップのせいか、世代的に自己責任に慣らされそれに疑問を感じなくなっているせいかどうも甘いこと言っているばかりだという印象です。
「したいこと」から「できること」を中心のキャリア形成を、という提言ですが、「したいこと」中心のキャリア形成の時に自分が今何をできるのかというのは当然考慮の要素に入っているので、いまさらこんなことを言われたところで何の解決になるのかという感想しか出てきませんでした。
論については以上ですが、キャリアアドバイザーと求職者が問答している章があって、これは客体として見る機会がないのでなかなかよかったですね。
【Review】石野 雄一:ざっくり分かるファイナンス~経営センスを磨くための財務~
ざっくり分かるファイナンス?経営センスを磨くための財務? (光文社新書)
- 作者: 石野雄一
- 出版社/メーカー: 光文社
- 発売日: 2013/12/13
- メディア: Kindle版
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本書はファイナンスについて諸学者向けに書かれた本ですが、ここで最初に強調されているのは会計(アカウンティング)とファイナンスは違うものだということです。外から見ていると似たようなことをやっているように見えますが、確かに狭い職場を見ているだけでも会計部門と財務部門は分かれていて話は完全に一致しているようには思えません。
読み進めていくと「欧米には経常利益という概念がない(本当?)」とか「無借金経営は債権者の発想であって株主の発想ではない」と言った印象的な言葉が出てきます。今まで読んだ所謂「財務諸表の本」と違って資本コストについても割合を割くなど、力点が確かに会計の本とは違いますね。
【Review】坂本 剛:知識ゼロから決算書が30分でわかる本
決算書の読み方については多くの本が出版されていますが、本書は学生なども念頭に置きながら「Yahoo!ファイナンス」を活用して企業の特徴を簡便に知ることができるようになる、ということを一つのベンチマークにしている点が特徴となっております。
また、決算書の読み方、というとどうしても「貸借対照表」「損益計算書」「キャッシュフロー計算書」に偏りがちですが、本書では上に挙げた「Yahoo!ファイナンス」→「決算短信」→「有価証券報告書」という情報の取り方のフローを示してくれているのがよかったです。「決算短信」の使い方がいまいちよくわからなかったので、その使い方とそれが総合的に見て最も重視されるべき資料という知見が得られました。
【Review】Testosterone:マッチョ社長のお悩み相談室 すべての悩みは筋トレで解決できる
マッチョ社長のお悩み相談室 すべての悩みは筋トレで解決できる impress QuickBooks
- 作者: Testosterone
- 出版社/メーカー: インプレス
- 発売日: 2017/05/29
- メディア: Kindle版
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筋トレのノウハウについていつまで経っても出てこないなぁと思っていたら、悩み相談の本だったようなので、求めていたものとはちょっと違う本でした。
最近、ゼリア新薬工業の社員が精神を病んで自殺した事件に関連して、社員の方が筋トレをしていたにも関わらず自殺した、ということで Testosterone氏が少し叩かれていました。
本書を読む限りでは筋トレ万能と言いつつも「6時間の睡眠と1時間の趣味の時間を取れないような仕事は辞めてもいい」などの話もしているので、筋トレ万能にはいくつかの暗黙の前提があって、それを勘違いすると不幸な結果になるんだろうな、と思いました。
私が持っている「筋トレしようと思ったもついつい有酸素運動に走ってしまう」に近い悩みがなかったのが残念ですね。
【Review】山根 節:「儲かる会社」の財務諸表~48の実例で身につく経営力・会計力~
「儲かる会社」の財務諸表?48の実例で身につく経営力・会計力? (光文社新書)
- 作者: 山根節
- 出版社/メーカー: 光文社
- 発売日: 2015/10/23
- メディア: Kindle版
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本書は発行当時話題の会社やその同業他社について具体的な数字を出しながら、財務諸表からわかる違いについて解説してくれています。それほど難しい数字を出しているわけではありませんが、48個の具体例を手軽に触れられる点とBSとP/Lの「大きさ」を可視化して全容を把握するという手法は自分が今まで読んだ類書にはなかったものでした。
【Review】大石幸紀:図解 会社の数字 基本と常識
『オールカラー “ギモン”から逆引き! 決算書の読み方 オールカラーでわかりやすい!』と同じく会社の数字についての入門書です。『ギモン”から逆引き』は最初に想定されるパターンを提示してそれについて解説するスタイルですが、こちらは割と順を追って説明をしていく体裁となっています。
見開き1ページで1トピック説明するので、電車の中でも抵抗なく読むことができました。少しずつ慣れていければいいですね。
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【Review】森島義博,日本プロパティソリューションズ:ビルオーナーのための建物・設備バリューアップ入門
本書は三菱UFJ信託銀行系のプロパティマネジメント(PM)会社日本プロパティソリューションズが2000年代に発行したいくつかのPM業務に関する本の一つですが、その中でもバリューアップに焦点を当てています。
本書が発行された2006年初頭はプロパティマネジャーに求められる業務領域がようやくはっきりしかけてきた時期だったので、PM全般ではなく、こういった特定の話題を取り上げた本が出たりしていました。
10年経ってさすがに書かれている要求設備水準は古くなってきているもののどのようにバリューアップを考えて行けばいいのかという考えを整理するのに(特に前半は)いいかと思います。ただ、個別の設備や建築項目に言及しているわけではないので、あくまで考え方を整理、という使い方です。
・「競合相手にいかに『僅差で勝つか』」がメインテーマ
・バリューアップは、条件面で競合するビルとあなたのビルを比較し、費用対効果を考えて「既存テナントの維持または新規のテナント確保に最大の効果をあげると思われる部分にだけ、必要最小限の設備投資を行う」ということをベースとしましょう
という言葉は『不動産アセットマネジメント』でも触れられていましたが、いつでも忘れないようにしたいですね。
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